硬貨

い形をしている物が多いが、四角、五角、六角、七角、八角など多角形をしたもの、周囲を帆立貝状にしたものなどが流通しており、真ん中に穴を開けた物も、各国に存在する。この穴は、古来紐を通して保存する目的で空けられたが、現在のコインは小額であり小型であまりその有用性は重んじられていないが、同じ大きさのコインの触感による弁別が容易で、この意味での穴の存在価値はある。流通を目的としない収集家向けの硬貨にはギターの形や国の地図の形など特殊な形態の硬貨も存在する。

コインには発行当事者の肖像を彫ることがローマ時代より行われた。肖像は為政者が変わっても貨幣価値には変わらず、回収されることはなかった。但し東洋においては儒教的価値観より為政者の肖像を刻むことはなかった。特に日本では天皇の肖像が刻まれることはなかったが、明治初期の紙幣と昭和32年(1957年)の100円銀貨発行時に試みられたことはある。

周囲に溝が刻まれた硬貨は世界中に有るが、そもそもこの溝は原材料の不正入手を防ぐ為に生み出された発明である。昔ある国に、金貨の周囲を不自然にならない程度に鑢で削ってその削り滓を不正に手に入れるという犯罪が流行した。その国では対策として、金貨の周囲に溝を刻み少しでも削ると目に見える変化が現れるよう金貨を改良した。現在の貨幣に見られる周囲の溝はこの対策の名残である。また、この周囲のギザは目の不自由な人にとって、硬貨の選別を行う重要な手段であり、現在のユーロ硬貨などでは、ギザギザのみならず、窪みや溝など額面によって判別が容易になるように工夫されている。

例えば日本の一円硬貨は製造費用が1円以上かかっており、製造すればするほど赤字となっている。だが、硬貨には金属確保の目的もあり、万が一金属が不足した場合のストックの代わりとも見做されている。

紙幣には番号が印刷されているが、硬貨は金属板を打ち抜いて作るため番号を一枚毎変えるには膨大な版型を必要とし、現実には不可能のため発行年度が刻まれる。かつ品質保持のため万が一、不良品が出た場合でも、解消の対応策がとりやすい。